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COLUMN コラム

タカラトミーグループ<i>商品企画でブームを興せ!熱きママさんヒットメーカー社員</i>

2018.09.18

井村屋のあずきバー専用のかき氷メーカーを始めとする大ヒット商品の生みの親!タカラトミーグループで企画開発を行っている働くママさん社員にお話を聞きました。新卒で入社され様々な部署を経て現部署に配属となり約10年。現在はお子さんを持つ母となり、新しいステージで模索しながら仕事に取り組むリアルな姿をインタビューさせて頂きました。

お子さんと和田さん(株)タカラトミーアーツ
FV事業部ライフ企画課
和田香織

▶今までの経歴(経験した仕事・部署)を教えてください。2001年に株式会社トミーに新卒で入社し、トミカ博・プラレール博の企画運営をしているイベントチームに配属されました。約2年半イベントの運営・企画などを経験した後、ガールズ商品のマーケティング、企画開発を約3年担当しました。株式会社タカラと株式会社トミーが合併後、新規事業を立ち上げるチームに異動となり大人やペットをターゲットにした商品企画を担当しました。2011年に所属していた部門の事業が株式会社タカラトミーアーツに移管し、現在はタカラトミーアーツでたくさんの方を「あっ」と驚かせ笑顔になっていただけるような商品創りを目指して仕事をしています。

▶代表作である「おかしなカキ氷 井村屋 あずきバー」の制作秘話を教えてください。試作品は7号機まで作りました。元々「あずきバーが硬い」ということがネット上で話題になっており、その硬いあずきバーを削ってかき氷にしたら面白いのではないか、という発想から商品企画がスタートしました。
実際に試作品を作ってみたところ、本当になかなか削れず、何度も試作品を作り直す試行錯誤の日々でした。その経験から閃いたのが、「硬い」ことを逆手に取り、あえて際立たせることをプロモーションに活かすことでした。通常は企画開発の過程を一般の方にお見せすることはないのですが、箱の側面に制作過程をストーリー仕立てにしてお客様にお伝えることで、「大変さ」も売りにした商品になっています。

▶「あずきバー」についてネットで硬いというのが話題になっていたという事ですが、アイディアを生み出し続けるための情報収集は日々されていることなのですか?はい。SNSを始めアンテナを張ることは日々心がけています。別の担当者の企画した商品にはなりますが、最近のヒット商品の「究極のTKG (たまごかけごはん)」も、「卵かけごはんはもはや国民食。商品化したら多くの方に楽しんでもらえるのではないか」という、世の中のトレンドから生まれた商品です。
最近やりがいに感じていることは、お客様との距離感がどんどん近づいて同じ目線でやるべきことの会話ができ、それが形になった瞬間です。

▶仕事で苦労したエピソード(あればそこから学んだ事)を教えて下さい。入社して4年程経った後、念願の企画開発職に異動となったのですが、しばらくは自分で立てた企画がなかなか採用されず、悩んだ時期がありました。自分の企画がなぜ通らないのか、何が足りないのか、またどうやったら具現化できるのか…。その当時は分からないことだらけで、どのような方向で努力すればよいのかわからず途方に暮れていました。そのような時、上司が手掛けた『クロックマン』というおしゃべりをする時計が大ヒットし、その後継となる商品の企画を自分が任されることになりました。上司が過去に作成した企画書とお客様の反響データを照らし合わせ、分析しながら商品化を進めることで、商品企画の組み立て方や、お客様に喜ばれるポイントがわかるようになり、この時の経験が今後に繋がる大きな学びとなりました。そしてその後は自分で立てた企画も採用されるようになってきました。
私はこのような試行錯誤を5~6年続けました。この期間は本当に長く辛い時期でしたが、しかしその積み重ねが、今の自分自身の自信や周囲からの信頼に繋がっていると思います。

▶1つの企画が商品化されるまでに、不採用になる企画はどれくらいの数ありますか?採用されるのは大体100個のうち1個くらいです。企画を通すことはとても難しいですが、通ってからのほうが本当の勝負とも言えます。企画開発の仕事は、アイディアを出す“企画”の部分はもちろん重要なのですが、そのアイディアを商品として具現化していく“開発”の部分がとても大事で、最も楽しくやりがいを感じます。遊びのコンセプトを膨らませたり、逆に購入していただきやすい価格に収まるように削ったり、ターゲットに合わせたデザインを考えたり、キャッチコピーを練ったり等様々な工程を経て、1枚の企画書から1つの磨き抜かれた商品が出来上がります。その商品が発売後お客様の手に渡り話題となり、さらに店頭で売り切れているのを目にすると大きな充実感を得ることができます。またネット上でも商品に関するアンケートにお答え頂けるようにしていますので、お客様からのお言葉も参考にしながら商品企画に繋げています。

▶子育ての経験が業務にどのように活かされたか教えてください。これまでは、モニター調査やデータ等で子どもの関心について情報を得ていましたが、正直なところ想像に頼る部分も多くありました。自分が実際に子育てを経験し、子どもの関心の移り変わりや成長の速さを日々肌で感じる中で、子育ての経験が玩具開発の仕事にとって有効であるのは間違いないと実感しています。1人の子どもが成長する様子、周りの子ども達の関心・流行、親としての目線等、今まででは得られなかった情報が圧倒的に増えたので、今後はより子どもたちや親の心を捉えた商品企画ができると感じています。

▶育児をする中で仕事のやりがいや働くことへの想いなど、変化があれば教えてください。自然と公私をしっかり分けるようになりました。子どもができる前は自宅に帰ってからも仕事のことで頭がいっぱいの時期もありましたが、今は会社を一歩出ると切り替えられるようになりました。逆に勤務時間中は、これまで以上に集中力を持って効率良く仕事を進められるように意識しています。アイディアを練る時などは、社内の静かなスペースに移動して考える時間を持つようにしています。

▶今後のキャリアについてはどのように考えていますか?まず一つが、子どもがいることを強みに、子どもの心を捉える商品をさらに世に送り出していきたいということです。二つ目が、自分が経験してきたような考え方や仕事を教えていけるような存在になりたいということです。
働きながら子育てをするということで悩んだ時期もありましたが、子育てをしながら働くのは決して特別なことではないし、特別なことだと考えない方がいいと今は思っています。人それぞれ、様々な事情を抱えながら働いていますし、「あなたはこういう働き方をしなさい」と誰かに決めてもらうものでもありません。結局は自分がどのように働きたいのか、自分と相談しながら考えていかなければならないのだと思います。もちろん、すぐに答えが出るものではありませんが、会社のルールの範囲内で自分にとってのベストな働き方を見つけていきたいと思います。

「ワーキングマザー」という言葉があるように育児をしながら仕事を続けることが特別だという風潮は今後過ぎ去るのだろうと感じました。働く人の事情や環境は様々で、あくまでその一つとして母親であるという事があるだけなのだと。また、企画開発というものづくりの根本に携わる和田様のリアルな苦悩ややりがい・希望に触れる事ができ、改めてその奥深さ・魅力を感じました。

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